「奏でよう最終楽章を」

やっぱりまだ終わらせたくなくて。
未練がましく文字を打っています。今回のブログでは、わたしの大好きだった踊り手、月浪ちゃんのお話をしますね。
その子はとっても可愛らしくて、天然で、オタクで、優しくて、礼儀正しくて、真面目で、踊ってみたが大好きな女の子でした。

踊ってみたカテゴリとは無縁だったわたしが彼女と出会った契機は至極単純です。
タップミス。
スマホニコニコアプリってめっちゃタップミスしませんか?(知らんがな)

いつものように推しのゲーム実況者の生放送を開こうとした時でした。
「あ、やべ変なとこ押したわ」心の中で呟きながら、間違えて開いてしまったページが月浪ちゃんの踊枠生放送でした。
読み込み中に目に飛び込んできた文字を追います。生放送で踊枠ってなんだよ(笑)という気持ちでぽやぁっと画面を見つめていると、そこには可愛らしい女の子がいました。

第一印象は真面目そうな子。
お世辞にも陽キャ側ではなさそうな、どちらかと言えば快活ではない方のタイプ。

生放送は踊枠というだけあって、コメントには不躾にボカロ曲のタイトルだけが延々と流れていて、この曲を踊れってまぁ端的に言えばリクエストですよね。
そんな雑なリクエストにも関わらず、ぱぁっとした笑顔でそれを拾っていく女の子。そしてすぐ踊る。振り入ってんのかよ。決してめちゃめちゃ上手ではないですが、それでもサラッと1フレーズ踊り終わると、パソコン(の前のオタクたち)に向かって深々とお辞儀。

なんだこの子。すげぇ。
だって明らかに私よりも年下です。

ゲーム実況者の生放送なんてとっくに忘れて、気づけばずっと見ていました。
終わってしまったあと、一抹の寂しさを感じてツイッターランドに飛び込みます。ツイ廃のオタクはツイッターランドがだいすき、はっきりわかんだね。特徴的な名前は検索するとすぐにアカウントが見つかって便利ですね。
興奮冷めやらぬオタクは秒でリプを送りました。するとリプライが返ってきます。
え?リプライが返ってきた?マ?
生きてて推しからリプライが返ってきたことなんてなかったわたしは驚きすぎてスマホを床に落とします。スマホケースは角が少し欠けました。
踊り手はリプライを返してくれる、ひとつ賢くなった瞬間です。

その日からわたしは彼女を推し始めます。2015年6月14日の出来事でした。

それからはまぁ彼女が上げた動画を見たり、生放送を見たり、たまにリプを送ったり、そんな感じで節度を守った在宅オタクをしていました。
そんな中、大変なことが起こります。

推し「東京のイベントに初出演します!」

なんてこったい推しが東京に来る!?マ!?(うるさい)
月浪ちゃんは金沢(の方)に住んでいるので、この発表の時点でオタク大興奮です。
当然踊ってみたのイベントなんて行ったことも見たこともないわたしですが、偶然の出会いから数ヶ月が経っていたので、怖い気持ちよりも会いたい気持ちが勝ってしまいました。
他の出演者様なんて勿論全員知りませんし、場所だってよくわからないですが、とにかくこのオタクはホイホイと軽率に足を運ぶことになりました。

いつも画面の中で見ていた月浪ちゃんに実際会えるとなればとりあえずプレゼントです。1冊のノートと数本のペン、馬鹿みたいな量のマスキングテープを購入し、アルバムを作成しました。
最初のプレゼントがそれかよ。メンヘラ女もびっくりの超重量級プレゼントです。

いつもより少し早起きをし、少し綺麗めに髪を巻き、お気に入りのピンクのニットに身を包み、ウキウキ気分で電車に揺られ、着いた場所は少し寂れた地下のライブハウスでした。
こっわなにここ。
完全に怖気付いてしまったわたしは開演時間を過ぎても中に入ることが出来ません。
でも、ここの中に月浪ちゃんがいます。
チケットのお取り置きもしてもらって当日キャンセルなんてできないので、ビクビクしながらも意を決して中に入ります。
するとそこには大きな声を出してサイリウムを振り回すオジサン達が大勢いました。

帰りたい。

あっこのイベントキンブレ必要なんだ?というか怖すぎるから早く帰りたい。
2.5次元とジャニーズしか知らないオタクにはあまりにも強すぎる光景です。SAN値がゴリゴリと削られていったわたしは、堪らず女子トイレに逃げ込んで蹲ってしまいました。

トイレの中半泣き状態で何分いたのか、なにやらステージが騒がしくなった気配を察知して戻ると、今からステージ周りでは物販を始めるそうです。
物販てなに?聞きなれない言葉にまた頭を痛めます。

オジサン達がぞろぞろと列を構成し始めるのを見て勘のいいオタクは察しました。
これわたし月浪ちゃんとハグできる(事前にツイッターでそのような約束を月浪ちゃん本人と交わしていました)タイミングだな?

本日何度目か、意を決してオジサン達の中に飛び込みます。もみくちゃにされながらどうにかこうにか月浪列に辿り着き、最後尾に並ぶと、わたしに声をかけてくれた女の人がいました。
「もしかして、○○(わたしの名前)ちゃんですか?」
名前をズバンと言い当てられ、驚きながらも肯定すると、
「私、月浪の母です。今日は来てくれて本当にどうもありがとう」と頭を下げられました。
突然のことに理解が追いつかないわたし。
あろうことか本人よりも先に母にエンカウントしてしまいました。超展開すぎるだろ。

驚きながらもこちらこそ、ありがとうございますと震える声を発し、頭を下げ、どうしてわたしのことが分かったんですか、と真っ当な疑問を口にすると、
「今日、女の子が来るって言ってたから。あなたしかいないでしょ?」
なんと女オタわたししかいない!?
にこやかに衝撃の事実を伝えてくる月浪母。これは実質月浪TO(トップオタ)宣言です(烏滸がましいからやめなさい)。

その後も月浪母とは取り留めのない会話をし、遂に月浪ちゃんご本人と対面することができました。
でっか。月浪ちゃんでかい。わたし(身長152cm)よりもめちゃめちゃ大きい。
年下で可愛らしい印象だったので、背が大きいとは思わなかったんです。
嬉しさのあまり何を話したのかはあんまり覚えていませんが、散々ハグをし、お金を払ってチェキを撮り、例の激重プレゼントを震える手で渡しました。
この時点でめちゃめちゃ大満足のオタクでしたが、去り際に事件は起こります。

「これ、あげます!わたしとお揃いなんですけど…」

MARY QUANTのネックレスでした。
あろうことか、推しからオタクに貢物です。本人曰く、「女の子が来てくれるのがとっても嬉しくていてもたってもいられなかった」とのこと。信じられない。軽く泣きそうでした。受け取れないです!なんて言ってたわたしでしたが、きちんと受け取ってふわふわした足取りのまま帰路につきました。

以上がわたしと彼女の初接触になります。凄まじい思い出すぎる。
今もネックレスは大切に取ってありますよ。うふふ。


なんだかめちゃめちゃに長くなってしまったので、とりあえず今回はこのへんで記事を区切らせていただきます。
あと文字を打ち続けて腱鞘炎になりました。でもやっぱり自分語りってたのしい!

おそらく亀更新ですが、のんびりお付き合いくださいね。踊り手のオタクはたのしいですよ〜!次回もどうぞよしなに!